QUA DESIGN style
田中園子  写真の仕事

田中園子 写真の仕事

写真家・田中園子の個展などのビジュアルデザイン。 デザインは基本的に写真をメインに装飾はなく、文字も最小限にして彼女の世界観を際立たせている。デザイナーにデザインを依頼するとデザイナー色に染まるのではないかと疑念を抱かれることがある。そういったデザイナーがいるのも確かだし、時には世界観を過剰演出することもある。しかし本来デザイナーの役割とは作家の世界観と作品の良さを即物的に捉え、最良の形で伝えることである。表現する上で細部へのこだわりという意味での「作家性」は必要だが、エゴとしての「作家性」は当然不要だ。 こうした広報物のデザインから作家の好感度、認知度を高め、作品の価値向上につながるケースが多々ある。外見は一番外側の中身であると言われている通り、広報物のデザインには作家のプロ意識レベルやセンス、作風などが投影され、可視化される。だから決して侮れない。 そしてデザインが良ければ、誰もが勝手に宣伝をしてくれる。チラシを置いてもらいやすくなり、スペースを取るポスターだって貼ってもらいやすくなる。やはり自分のイメージも良くなるものを近くに置いておきたくなるのが人間の心理のようだ。ギャラリストや学芸員なども同じだろうし、作品を購入してくれるコレクターも然り。こうした流れを産むことがまさにブランディングだ。もちろん、作家の人間性と作品の力が根底にあってのことだが。 倦まず弛まず修練を重ね、作品を創り続けていれば、作家人生を大きく左右する人との出会いは必ずある。経験上、ブランディングや広報物のデザインが突破口となる関門もある。突然やってくるその素敵な出会いのために、入念な準備をしておく必要がある。田中園子がそうであったように。

協力 gallery A-zone(本田和久・本田ヒロミ)